世界へ届けたい想い

2020.4.30 会場未発表

全日本プロレス中継2020

アジアタッグ選手権試合

○ イサミ、宮本 vs 宮原、アキラ ×
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 ヤンキー二丁拳銃のアジアタッグ初防衛戦は、全日本プロレス史上初、無観客のタイトルマッチとなった。挑戦者組はフランシスコ・アキラと宮原健斗。タイトルを獲得することで危機的状況にある母国イタリアの人たちに元気になってもらいたいというアキラの声に、宮原が応えたかたちだ。

 アキラとしては、2.11後楽園の世界ジュニア戦と合わせて、自身二度目のタイトル挑戦。しかし、道場で黙々とトレーニングを続けたこの2か月で、大幅な肉体改造に成功しており、いまでは別人のような身体だ。期待値は高かった。

 果たして、アキラはたしかな成長を見せつけた。序盤、宮原をグラウンドレスリングで翻弄した宮本と、互角に渡り合い、卍固めで捕える。持ち味である敏捷性を、安易な飛び技ではなく、レスリングに活かしており、好感が持てるシーンだった。その後も、イサミとのハイスピードな切り返し合いを制するなど、確実に地力を上げていることが分かる。

 この試合で、宮原は珍しく黒子に徹していた。それは、ストーリーを考慮してのものかもしれないが、アキラが予想以上の奮闘を見せたことも小さくない要因だったのではないか。

 サブタイトルの「全日本プロレスから、世界へ届けたい想い」は「フランシスコ・アキラから、イタリアへ届けたい想い」と言い替えることができるだろう。最後はヤンキー二丁拳銃の連携により抑え込まれたが、アキラの想いは母国へ届いたはずだ。

Enfants Terribles ~恐るべき子どもたち~

    元WRESTLE-1芦野祥太郎のパートナーXは、やはり児玉裕輔だった。全日初戦はW-1タッグ王者にもなった二人が完勝。試合後には「デカくて強くて化け物みてえなレスラー」と試合がしたい芦野はジェイク・リー、「イキのいいジュニア」を堪能したい児玉は岡田佑介と、それぞれ標的を見つけたようだ。

    さらに次のTVマッチで仲間を連れてくることを予告。「俺たちEnfants Terribles」と言っていたことから、羆嵐でまず間違いないだろう。30歳前後で、なおかつタイプの異なる三人が加わり、ヘビー、ジュニアとも戦線が活性化されそうだ。

    そのなかでも特に注目しているのが児玉だ。全日ジュニアにはいない、掴み所のないキャラクターで、TAJIRIとの繋がりもある。階級を超えて、戦線をかき回す存在になるだろう。

全日本の風紀委員長

    この日のタッグマッチを終えた直後、ヨシタツ諏訪魔に因縁をつけ、世界タッグ挑戦にこぎつけた。諏訪魔が五冠を獲って調子に乗ってるから、全日本の風紀委員長としてビシッと取り締まる。そして「俺にシングルで負けまくっておいて、何が五冠だよ。五冠なんて、俺にシングルで勝ってから言えよ」と、そのままシングルの10分1本勝負に持ち込む。さらに、諏訪魔の暴走を引き出し、「こんなやり方恥ずかしくねえのか!3月に名古屋で中止になった世界タッグ、俺と健斗のヨシケンに挑戦させろ!」と畳み掛ける。言葉の選び方とストーリーの運び方が天才的だ。言葉のプロレスができるヨシタツは、全日で誰よりもTVマッチに適した人材なのかもしれない。